2018.09.26
2018年4月1日「改正宅建業法」の施行により
宅建業者はインスペクション(建物状況調査)の説明が義務化されました
インスペクション(建物状況調査)とは
建物の基礎、外壁等に生じているひび割れ、雨漏り等の劣化事象、不具合事象の状況を目視、計測等により調査するもので専門のインスペクション業者が公平な立場で行います。
住宅の質の不安解消を目指して
2018年4月1日改正宅地建物取引業法の施行で、中古住宅取引の際にホームインスペクション(住宅診断)の説明が義務化されました。既存建物取引時に、購入者は、住宅の質に対する不安を抱えています。しかし、既存建物(中古住宅等)は個人間で売買されることが多く、一般消費者である売主に広く情報提供や瑕疵担保の責任を負わせることは困難です。その不安を払拭するために、インスペクションの説明が義務化されました。媒介契約締結時(売主・買主)における建物状況調査(インスペクション)を実施する者の斡旋や、重要事項説明書・契約書における説明・特記事項の追加等が必要となりました。つまり、不動産取引(売ろうとした時、買おうとした時)の際に宅建業者がインスペクション業者の斡旋の可否をそれぞれに示し、媒介依頼者(買主・売主)の意向に応じで斡旋する。そして、契約書等の書面で斡旋の可否を明記し、不動産取引のプロである宅建業者が、専門家によるインスペクション(建物状況調査)の活用を促すことで、買主、売主がともに安心して不動産の取引ができる市場環境を整備することを目的としています。インスペクション実施後、物件の状況を説明するのは専門のインスペクション業者で宅建業者ではありません。あくまでも公平な立場で説明は行われます。
情報提供の充実が経済効果にも発展します
我が国の既存住宅の流通シェアは、欧米諸国(70~90%)と比較して極めて低い水準(14.7%)にあります。既存住宅の流通を促進することで住宅市場を拡大し経済効果を高める、ライフステージに応じた住み替え等による豊かな住生活を実現させることには意義があるといえるでしょう。つまり、不動産取引のプロである宅建業者が、専門家による建物状況調査(インスペクション)の活用を促すことで、売主・買主が安心して取引ができる市場環境を整備。そして、市場環境の活性化を図り経済効果にも発展することが望まれているのです。
「改正宅地建物取引業法」の一部を改正する法律の概要
1.既存の建物の流通を促進するとともに、宅地又は建物の買主等の利益の保護を図るため、宅地建物取引業者に対し、建物の構造耐力上主要な部分等の状況の調査を実施する者の斡旋に関する事項の媒介契約書への記載、当該調査の結果の買主への説明等を義務づける。
2.不動産取引により損害を被った消費者への確実な救済
不動産取引により損害を被った消費者を確実に救済するため、営業保証金・弁済業務保証金による救済の対象者から宅地建物取引業者を除外。
3.宅地建物取引業者の団体による研修
業界団体に対し、従業者への体系的な研修を実施するよう努力義務を課す。
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